2020.10.25
現在日本で見られる造花のほとんどは、ヨーロッパや主に中国製の輸入品です。
以前日本でも製造が盛んだった時期がありますが、
日本メーカーはほとんど問屋化しており、輸入するか、商社から買い卸しています。
そして今回はその造花の歴史について、
少しだけ簡単に書きたいと思います。
<量産のスタートは1770年頃>
造花が量産されるようになったのは1770年頃。
スイスで皮革や布を花や葉の形に型押しする技術が発明されたことで、
フランスを中心に「絹の花」の需要が増大したことから始まりました。
<アメリカへ広がる>
これがさらにアメリカへと広がり、
初代大統領ジョージ・ワシントンの就任式(1789年)で
このフランス産の絹の花が装飾用にたくさん使われたといわれています。
<手作りから機械化へ>
20世紀始めにアメリカで大きなつばの帽子が流行したことをきっかけに、
それまで手作りされていた工程が機械化されました。
1956年、イタリアの会社(ボスコー)が
ポリエチレン製の部品加工と組み立ての技術を開発し、
ニューヨークの造花会社(コーラム)と提携し全米に販売を開始しました。
間もなくしてこの生産は賃金が低い香港に集中するようになり、
世界的にも広まっていったのです。
<日本へ>
日本に入ってきたのが1962年の輸入制限の解除以降。
半製品の加工が日本でも許され大西造花装飾がいち早く製造を開始しました。
「世紀の造花」というキャッチフレーズで広まった「ホンコンフラワー」は
それまで日本では主に紙か塩化ビニール製だった造花と異なり、
水洗いができ、変色せず、大量生産できるということで流行しました。
当時は技術的にまだあまり進歩しておらず、
日光に当たると色褪せる、厚みがあって形が悪い、花弁や葉の先端のほつれがひどいなど、
いかにも造花というちゃちさ目立っていました。
しかし、改良が重ねられ、
かなり精巧に生花を真似て作ることができるようになっていきました。
ざっとですが、大まかにはこのような流れで、
現在では、至近距離でも生花と見分けがつきにくいほどの造花が存在するように至り、
その進化が続いています。
今後のますますの進化を期待したいところです!
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